■オリエンテーリング。 それはアウトドアスポーツの始まり。 (オリエンテーリング用地図の一部) オリエンテーリングのルールはただひとつ。地図に示されたポイントを順番に回ってくること 。 地図の赤い○印の中心に「コントロールフラグ」という目印が置かれています。いくつかある○印を番号順にチェックします。 ○と○の間はどんなルートを通ってもかまいません。 例えば自宅から学校へ行くのに、いろんな道があるように、 どの道を通れば一番速いか、間違えにくいかを自分で考えます。 ■オリエンテーリングの基本動作 STEP1 最初にやることは、今、自分がいる所が地図でどこかを確認することです。 まずは道の形、交差点や曲がり方を良く見て、自分の目の前にある実際の道と比べてください。 そして、現地の方向と合うように地図を持ち、指で現在位置を押さえます。 上図:これを「整置(せいち)」 といいます。 これは、日常の生活でも、地図を見てどこかに行くときには、よくやることです。 最近はカーナビという便利な機械があって、自分で地図を読まなくても迷うことはありませんが、 オリエンテーリングはそれを自分の能力でやることになります。 STEP2 さて、ここからがオリエンテーリングのもっとも大事なところです。 カーナビは、検索すると、最適と思われるルートを示してくれます。 でもたまに、「こっちの道の方が速いのになあ」なんて思ったことはありませんか? それは、ルートを決定する能力において人間の方がカーナビより賢いからなのです。 どうしてそんなことができるかと言うと、人間はカーナビにはわからない様々な情報を集めて、 判断することができるからです。例えば、この交差点は混むとか、この道は前に迷ったことが あるとか、可能な限りの情報を集めます。 オリエンテーリングでは初めて見る地図から最大限の情報を集めてルートを決定 するわけです。 ・距離は短いか、のぼりはあるか?近道だけど山を超えなければならない、遠回りだけど平坦だ。 ・何度も道を曲がらないといけないか?曲がる場所はわかりやすいか? ・迷いやすいが真直ぐいけるルートを選ぶか、遠回りでも確実なルートをとるか? 「賢いルート」選択こそ、オリエンテーリングの本当の楽しさ(醍醐味)なんです。 これを「ルートチョイス」と言います。 STEP3 さて、ルートを考えることができました。それで終りなら、オリエンテーリングは楽しくありません。 次は、自分の考えたルートのとおり、走る必要があります。途中で迷っては何にもなりません。 でも、なにしろ初めて見る地図、初めて通るルートです。ボヤっと走っていては必ず迷います。 途中、自分の考えたルートを通過しているか、チェックしなければいけません。 例えば、市街では、途中にコンビニがあって、次にガソリンスタンドがあって、と考えます。 もし、コンビニが見えなかったら、道に間違ったと気づくことができますね? 山の中では「コンビニ」みたいにわかりやすい場所はありません。 尾根や沢の形、岩や湧水点など必要な情報を地図から常に読み、チェックします。 でも、迷ってしまったらどうするか? そこまで来た風景を思い浮かべ、自分が通ったルートを地図の上で追いかけます。 あるいは、とにかく自分のいる場所がわかるまで来たルートを戻ります。 これを「リロケート」と言います。 さて、以上のことをおさらいしておきましょう。 (1)整置。地図と現地をあわせる。 (2)ルートチョイス。地図を見て、最適なルートを選択する。 (3)ルートチェック。移動しながら常に自分のルートが正しいかチェックする。 (4)リロケート。もし間違ったら、自分の位置を考え直し、再度ルートを考える。 オリエンテーリングはこの4つの基本動作を繰り返し行います。 競技スポーツとして行う場合は時間を競います。 ほんのわずかな迷いが勝敗を決することがあります。 世界レベルではわずか数秒の争いになりますから、地図を一瞬見る時間さえ勝敗に影響します。 またレクリエーションとして行う場合は、この4つの正確さを家族やグループで話合いながらゆっくり 歩いて楽しむこともできます。 |